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2024.3.13芸術の春

 

暖冬ではありますが、寒暖差の激しい日々、皆さまいかがお過ごしでしょう。

ウグイス(Japanese Bush Warbler)の別名は春告鳥、もっとも日本人に親しまれている鳥ですが、

里山などに生息し、なかなか姿は見せずとも ホーホケキョ と鳴く声が待ち遠しいころです。

 

松本市で開催されている、マツモト建築芸術祭 。 毎年足を運んでいますが年々深みを増しています。

かの松本城の隣に佇む、旧松本市立博物館をメイン会場に、駅寄りに新しくできた 新松本市立博物館では、

総合ディレクターおおうちおさむさんのトークイベントや、愉快なショートフィルムもゆったり愉しめました。

ノスタルジックな建築の 旧松本市立博物館では、国内外で活躍するアーティストの作品をご覧いただけます。

この大理石でつくられた地球儀の一部は、石化されたことで 数千年、数万年後にも残ってゆくのだろうか。

そのものたちが存在した証になるのなら、遠い未来に大きな夢を抱けるような気持ちにさえなってきます。

古い建築物を眺めながら、地域の歴史や文化、新しい時代への展望も自然とできるように思います。

そこにしかない景色や文化を探しに、ぜひ 松本への小旅行をお愉しみください。

 

いつも公式オンラインをご利用いただき、誠にありがとうございます。

発売から14年程になる新茶器、TOU-GLASS など、生産が追いつかない状況がつづき大変恐縮です。

以前よりお伝えさせていただいておりますが、新茶器  の新色  SHIRO・KURO  につきましては、

産地の窯が安定するまでの間、誠に勝手ながら、卸し店舗様へのお届けを控えている状況となります。

できる限り、安定した陶器の生産ができますよう、土の配合率などを試行錯誤している段階です。

お待たせしている店舗様にもご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。 この春以降を目安に、

全アイテムが整ってゆくことを願うばかりです。いま在庫があるものは公式オンラインでご購入可能です。

寒い中にも奮闘していただいている職人に想いを寄せ、あたたかな心でお待ちいただければ幸いです。

 

優れた透過性のある土をつかった、限られた職人の手仕事で作る   TOU-LIGHT  のペンダントライトは、

新築の家、マンションの木質化リノベーション、店舗様等、たくさんのご依頼をいただき感謝申し上げます。

陶製シェードの真鍮ネジ部分を、今回も東京下町の工場で製作してもらいました。美しい仕上がりです。

コードの長さ調整、色指定、ダクトレール仕様への変更なども出来ますのでご購入時にお知らせください。

やわらかな灯りのグラデーションと、心地いい空間をゆったりと愉しんでいただけますと嬉しく思います。

2024.2.7日本の原風景

 

立春の頃、真に澄みきった空気のもと、ここ南信州はおだやかな天候に恵まれていました。

この冬の南岸低気圧の影響で、久しぶりに重く湿り気のある「カミユキ」が降り20cm程の積雪でした。

「カミユキ」の語源は、西日本からの雲による上方からの上雪、ひらひらと舞う紙吹雪のような紙雪、

春先に降ることからの神雪など、多様な解釈があるようで興味深いです。

 

南信州の伊那谷へ移住した友人が、大きな志をもち活動を始めていますのでご紹介させていただきます。

先人が残してくれたこの美しい自然と、日本の誇り高い文化を、次世代に残してゆきたいという思いで、

いのちが循環する自然環境を作り、「木・土・石」をつかった  伝統構法の喫茶店  を建てています。

自然の竹を細く割り、たてよこの格子状に交差させ、しゅろ縄でしっかりと固定し編んでゆく「竹小舞」は

日本の伝統的な構法のひとつで、土壁の下地として支える部分になります。編み方をしばらく覚えてゆくと

誰でも編むことができる「竹小舞」ですが、見えなくなってしまう下地部分とは思えないほど美しいのです。

現在、日本古来の建て方とその技術は段々と失われつつあり、優れた技術をもつ職人がいても、

その技術を生かす機会は、ほとんどないのだそう。この趣きある伝統構法をたくさんの人に知っていただき、

多くの人のやすらぎの場になることを願いながら、有志の若い大工や仲間たちが集まり行動しています。

木と土と石を組み合わせた、素晴らしい伝統構法のことを含め、記事をご覧いただければありがたいです。

 

海外からのゲストも多い、瀬戸内の  Benesse Art Site Naoshima(ベネッセアートサイト直島)

昨年秋につづき来週末頃、ベネッセハウスショップ様へ 直島限定色のグラス TOU-GLASS をお届け予定です。

深い海色に染まった土と混ざり合い、職人の手でひとつづつ、美しい交わりの情景に焼き上がってきます。

有機的で凛としたかたちと土の感触で、好みのナチュラルワイン等を愉しんでいただければ嬉しく思います。

やわらかい春風が吹く頃、日本の原風景が残るアートの島々へ、島時間を探しに訪れてみて欲しいです。

2024.1.10初空

 

謹賀新年

たおやかに大空へ羽ばたく野鳥のように、

皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

能登半島地震において被害に遭われたすべての方々に、心よりお見舞い申し上げます。

酷寒のなか、人々の救済や復興支援のためにご尽力されている皆さまに深く敬意を表します。

少しでも早くあたたかい平穏な日々が訪れますよう謹んでお祈り申し上げます。

脈々と繋がってきた人々の暮らしと、培ってきた産業、宝もののような優れた文化が、

むなしくも一瞬の出来事で、大きく壊されてしまった実情に胸が痛みつづけています。

今ここから出来ることを、周辺地域への支援金などで応援させていただきたいと思います。

能登と東京の二拠点生活をする知人から、現地で生き抜く人の力強いメッセージを感じることができ、

新しい希望の種を信じて、じっくりと諦めずに紡ぐ一年となりますよう見守っております。

2023.12.13冬の雨

 

久しく姿を消していた冬の雨、うるうると草木が潤い、浄化された空気が漂っています。

本年もアールピース製品をご愛好いただき、誠にありがとうございました。

新茶器の新色  SHIRO・ KURO も、沢山のご注文をいただき大変嬉しく思っております。

誠におそれいりますが、新色につきましては窯が安定するまでの間は在庫も少ないため、

公式オンラインショップ限定でお求めいただける製品となります。何卒、ご了承をお願いいたします。

 

自然の炎のように、柔らかな灯りを愉しむ ペンダントライト TOU-LIGHT  が再入荷しました。

人の素手で、型を使わずに製作しますので、土の厚さが微妙に異なり光りのグラデーションが生まれます。

人が集う空間をなごやかに照らし、揺らめく光りの濃淡でくつろぎの時間へと導いてくれるでしょう。

 

冬季休業のお知らせです。

12.29 (金) 〜  2024. 1.8(月) の期間は、出荷等をお休みいたしますので予めご了承くださいませ。

ご注文内容にもよりますが、12.25(月)夜間までのご注文品については年内発送が可能でございます。

オンラインショップは受付中ですので、以降のご注文分は 1.9(火)から順々に発送させていただきます。

皆さまには大変ご不便をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

ゆったりと心を解き、暖かな空間で冬のひと時をお過ごしください。

2023.11.20初雪

 

宙を舞う葉を愛でていた日々、この週末の寒気で白い初雪も舞った南信州です。

野山の風景は、彩りの木々から少しづつ華やかに昇華しつつあります。

 

大変お待たせいたしました。

新茶器の  SHIRO(シロ) KURO(クロ)KOICYA(コイチャ)を本日リリースしました。

永くご愛用いただいている急須ヒトリ・小茶碗の単品と、こちらの木箱付セットをお届けいたします。

クラフト箱入りのセットも仲間入りしましたので、気取りのない贈り物としてもどうぞ。

お仕事や家事などの合間に、自身の手でゆるりと淹れた好みのお茶を、自由にお愉しみください。

なお現在のところ、SHIRO と KURO の製品につきましては、陶器の窯が安定するまでの間、

公式オンラインショップのみでのお取り扱いとさせていただいております。

何卒、ご了承の程よろしくお願いいたします。

2023.10.12木漏れ日

 

肌寒く感じる季節となりましたが、銀木犀(gin-mokusei)の白い花がほのかに咲いています。

じつは銀木犀が、金木犀の基本種とのことで、柔らかくひかえめ、淡く上品な香りを放っています。

非情な夏の暑さは、意外にも信州の葡萄に好影響を与えたそうで、近くの葡萄農園などは豊作のようです。

 

東京、国立新美術館で開催されている「イヴ・サンローラン展  時を超えるスタイル」を訪れました。

学生さんも含め多くの人で賑わっていましたが、当時の女性が自信をもって生きるためのスタイリングを、

実際にデザインしたさまざまな素材の衣服などから、時代背景とともに肌で感じ取ることができました。

同フロアで開催されていた 「テート美術館展  光」  の会場では、英国を代表する国立美術館テートから、

光をテーマにした名品を観ることができました。絵画、写真、素描、アート、インスタレーション、映像など、

様々なアーティストたちが、光の特性やその輝きをどのように捉え、魅了されたのかを想像しました。

ジェームズ・タレルの作品や、最終章のオラファー・エリアソン 《星くずの素粒子》が作りだす光の空間も、

新しい視点から光の演出を愉しむことができます。 10月26日(Thu)より大阪中之島美術館でも開催されます。

 

京都、銀閣寺近くに佇む   銀鶴堂(Ginkakudo) 様では、光を透す白い陶器のグラス  TOU-GLASS  が好評です。

欧米系のファミリーにまとめてお求めいただいたり、喜びのメッセージを頂戴しており有り難いです。

温かい飲みものや、口当たりよく冷やしたWineなど少し贅沢な気分を味わえる陶グラスは、日常はもちろん、

儚くもうつくしい日々に、自然界の情景を映すテーブルウェアとしてお愉しみください。

そして、遠く離れた大切な方へのギフトとして  oto-baco  のオルゴールがまた一つ、旅立ってゆきました。

木を通してつたわる素朴な音色で、ゆったりとリラックスした時間を過ごしていただけると嬉しいです。

移りゆく秋の気配とともに、贈るこころと、温かな気持ちが伝わりますよう願っています。

2023.9.13南信州の農

 

一年で最も月がきれいに映る9月。

日本人はもともと農耕民族、ですから秋の農作物の出来はくらしに密接にかかわるものでした。

ここ南信州の稲穂もさわさわと徐々に重たくなり、まさに各地でお米の収穫がはじまりましたが、

お米、サツマイモなどの芋類、フルーツなどの農作物の収穫に感謝して今年の豊作を願いたいものです。

 

皆様に可愛がっていただいている素朴なうつわ  家族茶碗  、日々和やかに御飯を食べていただきたい、

という想いで生まれた製品です。 あたたかみを感じる自然土の心地よい手触りはお米と相性が良く、

両手で御飯茶碗をもった時に、ふっくらと炊き上がった優しい温度がじんわりと手肌に伝わります。

つるりとした透明釉が内側に施され、箸あたりもよく、最後の一粒までしっかりといただけます。

まだ余り御飯がすすまないお子様が、お米のおいしさを直に感じられることを願って、

御飯をぜんぶ食べられたら見えるイラストの笑顔で、大らかな優しい子に育ちますよう。

 

最近、自然に恵まれた環境で子育てを望む人が増えているようです。私たちが信州に移住した9年程前に比べ

驚くほど移住者が多くなり、なかでも「教育移住」を目的にしている方が目立っています。

個性を尊重した総合教育や、近くの森を散策したり、星空の中で焚き火を楽しんだり、野鳥を探したりと、

さまざまな自然体験を通して子供たちは五感を刺激され、豊かな感性が育まれることを希望するのでしょう。

大人も今の仕事をしながら半農生活に入れる移住希望者対象のWSもあり、自分の生き方を思考できそうです。

オーガニック志向の方も増えており、命を守る、これからの日本の食事情が愉しみとなりました。 それぞれの

地域に根づく文化、穏やかな風土や人、豊かな自然環境をリスペクトしていきたいと改めて思うこの頃です。

2023.8.22苔のむすまで

 

爽やかな秋風が朝晩にながれ、澄んだ星空がうつくしい南信州です。

夏季休業中はたくさんのご注文をいただき、ありがとうございます。 照明のご依頼も多くいただきました。

おかげさまで 16年目を迎えることができた(株)アールピースファクトリー、記念すべき某日の様子です。

朝に産地から届いた製品を確認したのち電話で打ち合わせ、その後ご注文メールを拝見しながら在庫の確認、

出荷手配とご返信後にシステム上の入力作業、午後近くに住む知人からサプライズのお土産をいただき談笑、

平穏にデザインの仕事をすすめていると突然のご相談内容を受け倉庫で製品探し、夕方遅くに発送準備へ。

日々慌ただしく過ごしておりますが、無事ここまで歩んでこれたのは、いつも応援してくださる皆様と、

温かく見守ってくださる各方面の皆様のご愛顧のたまものと一重に感謝しています。ありがとうございます。

 

ここでお知らせです。

誠に恐れ入りますが、このたび製品の一部につきまして、価格改定をさせていただくこととなりました。

昨今の世界情勢の影響をふくめまして、陶器製造に関わる原材料費の高騰などにより、弊社にて

従来価格を維持することが困難となっております。産地職人の人手不足、高齢化も進んでいる現況です。

ご愛好いただいている皆様には大変申し訳ございませんが、ご了承のほどお願い申し上げます。

今秋 9月1日(金)より新価格への移行をさせていただきますが、

家族茶碗・oto-baco(音箱)・BARCA などの製品につきましては現状のままとさせていただきます。

ただいま製品をご検討中のお客様は、ぜひ 8月中にご依頼くださいますようお願いいたします。

なお今後も、皆様にささやかな灯りをお届けできますよう、一層の力を尽くしてまいりますので、

ご理解賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023.8.4悠久の時をこえて

 

大暑の候、いかがお凌ぎでしょうか。

約一万年前の日本、縄文時代の住居跡には 炉(Ro)があったそうで、いろりの起源です。

いろりは家の象徴とされ、神の宿る火所として清く永く保たれ、人が集まり食事をする場所でした。

現代のいろりになる事を願い、キャンドルホルダー   IRORI-BI(いろりび) を発売いたしました。

大地の恵みである土からできた器は、製作時にさまざまな理由で、良品として出荷できないものが

生まれています。 限られた資源を大切に使いたいという想いから、食器用としては不向きな

TOU-GLASS を、最後まで明るい火を放つキャンドルとSETにして、皆さまにお届けいたします。

光が透ける白い陶器にキャンドルを入れて炎を灯せば、いろり火のような揺らぎと、柔らかい情景が

ほんのりと映し出されます。夕暮れからのひと時、心をほどき、穏やかな余韻をお愉しみください。

 

悠久の時を感じさせてくれる、長野県木曽谷の宿場町、奈良井宿(Narai-juku)の町並み。 本日、

BYAKU  Narai 様の別館  島茂屋(Shimamo-ya)、かね上屋(Kanekami-ya)の御宿がオープンしました。

ご縁をいただき、新茶器の  KYU-SU FUTARI CYA-WAN   等を新客室にてお使いいただいております。

非日常の癒しの空間とともに、木曽の漆器や鉄錆のような深い色味の茶器で、ゆったりとお寛ぎください。

木曽地域に眠る、BYAKU(百)の物語を伝える御宿として、これからも旅人に愛されてゆくことと思います。

 

夏季休業のお知らせです。

8月11日 (金)  〜  16 (水)  の期間は、出荷等をお休みさせていただきます。

ご注文内容にもよりますが、8日(火)午前10時までのご注文分は休み前に発送可能となります。

公式オンラインショップ  は受付していますので、ご注文品は 17日以降に順次発送いたします。

ご迷惑をおかけしますが、ご了承の程お願いいたします。ご利用を心よりお待ちしております。

2023.7.6石との出会い

 

緑濃い夕暮れ、涼やかな風鈴の音がしずかに鳴り響いています。

ふいに思い立ち、山梨県の里山にある Gallery で開催されている「光と影の音」へ。

黒い衣装を身につけた  彫刻家 上田亜矢子 さんが、親しみやすい笑顔で出迎えてくれました。

八ヶ岳南麓のアトリエで制作される亜矢子さん。白い空間に置かれたやわらかい空気感の石彫は、

直線と曲線で織りなされたうつくしい形で、思わず手で触れたくなる滑らかな質感をまとい、

さまざまな白の彫刻やブロンズの作品は、自然光に揺られ、ゆっくりと気配を変えていくように見えました。

初めてお会いするのに何故かどこかで会ったことがある雰囲気のお人柄に惹かれ、愉しい時間をもてた一日。

来週 7月10日(月)まで、evam eva yamanashi  形   にて開催中です。隣りの茶房、Shopもおすすめです。

 

夏の線香花火がぽとりと落ちる瞬間の炎をかたどった照明、TOU-LIGHT トウライト が入荷いたしました。

手と土との対話で描かれたうつくしい丸みのあるペンダントライトは、日常にやすらぎのある場所を創り、

揺らめく自然の光が灯り、おだやかに過ごせる居心地の良い空間が生まれます。 胴体サイズは2種類で、

照明のコード色指定・長さ調整・ダクトレール仕様への変更などは、ご購入時のみ調整可能でございます。

凛とした白い陶肌の表情と、柔らかな光のグラデーションをお愉しみいただけると嬉しいです。

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