2024.9.6大地の清水
新秋の候、暑さが残りますが、少しづつ爽やかな風が吹く季節になってきました。
日々の暮らしのなか、美味しい水は生活を豊かにしてくれるものです。
山の清水、伏流水が湧きでる場所がいくつかあり、定期的に汲みにいくことが習慣になっています。
こちらは北八ヶ岳の蓼科周辺にある、山の岩間から湧き出る水で、とても冷たくて無味無臭、
喉ごしが良くさらっとした超軟水とのこと、地元の方も多く汲みに訪れるような穴場です。
煮沸した水が安心、冷やしていただいたり、淹れたお茶や珈琲はまろやかで雑味のない味わいに。
湧き水をつかって炊いたお米や季節の煮物なども、一味違ったふくよかな仕上がりになります。
大自然の恵みをいただくことで、その尊さ、環境保全の大切さをあらためて感じています。
皆さまに愛され、おかげさまで「新茶器」 の販売開始から15年ほど経ちました。
新たな色合い SHIRO・KURO が仲間入りして数ヶ月、たくさんのご注文ありがとうございます。
秋の始まりから、青山の Spiral Market 様にて新製品をご覧いただけるようになりました。
おなじく 二子玉川店、丸の内店、横浜赤レンガ倉庫店、大阪ルクアイーレ店のお店でも、
実際にお手に取ってご覧いただけますので、ご都合のよい際にぜひお立ち寄りください。
古くから伝わるシンプルな仕組みの「新茶器」は、編み目などの茶こしを使わずに、
番茶、ほうじ茶、煎茶、玄米茶、和紅茶、蕎麦茶、野草茶、多品種のハーブティーなど、
さまざまな茶葉を愉しんでいただける茶器です。洗いやすく衛生的にお使いいただけます。
個性的な味わいにそれぞれ焼き上がる、土から生まれた陶器としての風合いを愛でつつ、
うつわの景色としてもお愉しみいただけますと幸いです。
身体の緊張をほどき、ゆったりと美味しいお茶の時間をもっていただけますと嬉しく思います。
家族茶碗のライスボウル 単品・木箱付セットもお届けしましたので、併せてご覧くださいませ。
2024.8.1東北の文化
おおらかに蝉が鳴き、八月の日射しが降りそそぐ南信州です。
夕暮れは涼やかな空気が漂い、夜空には天の川がうつくしい輝きを見せてくれます。
真夏がくる前に、秋田・青森・岩手の三県を訪ねました。
日本海の海岸線をはしるローカル線の 五能線 、青々とした山々の谷をはしる花輪線を乗りつぎ盛岡へ。
駅バスターミナルは多くの人が行き交う岩手県の中心地、盛岡市は海外からの観光客も多いようです。
岩手銀行赤レンガ館、すばらしい庭園の南昌荘(nanshousou)、盛岡市最古の洋館 旧石井県令邸 など、
レトロな建築が街に点在し、散策できる程よい広さの街中は見どころがたくさんあります。
雑貨店の店主に聞いて訪れた 光原社 は、創業者が宮沢賢治の童話集『注文の多い料理店』を発刊した
ことにはじまる出版社としてスタートし、現在は民藝などの品々がならぶ店舗と喫茶店があります。
材木町の通りから北上川に抜ける景観と建築、民藝の器でいただくコーヒーはとても印象的でした。
東北地方の広大な自然と、独自の文化・歴史にふれ、あらためて日本の奥深さを感じる旅となりました。
夏季休業のお知らせです。
8月10日 (土) 〜 18 (日) の期間は、出荷等をお休みさせていただきます。
ご注文内容にもよりますが、8日(木)午前10時までのご注文分は休み前に発送可能でございます。
公式オンラインショップ は受付していますので、ご注文品は 19日以降に順次発送いたします。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承の程お願いいたします。ご利用を心よりお待ちしております。
小さな木陰に入り、どうぞ涼やかな日々を。
2024.7.11涼やかな光り
七夕の笹飾りを終い、ここ南信州でも夏の陽射しを感じられる頃となりました。
山から流れくる水辺に佇むと、心底涼しい、天然のクーラーを味わえます。
涼やかなお茶を愉しみたく、自然栽培で育った熊本のやぶきた緑茶を KYU-SU HITORI で淹れてみました。
ティースプーン1杯程の茶葉をいれ、さまざまな形状の氷をのせ、湧き水をほんのりと注いで数分間、
優雅なあま味を感じる、やさしい風味の冷茶ができ上がりました。小ぶりな湯呑 KO CYA-WAN に注ぎ、
二番煎もほっこりと素直に美味しいお茶をいただくことが出来ます。 少し多めの茶葉を入れること、
少し長めの抽出時間をもち4〜5分程待つこと、おいしい氷を使うことがポイントでしょうか。
ゆったりと過ごす夏の暮らしのなかでお試しいただけると嬉しいです。
香川の瀬戸内に浮かぶ、 Benesse Art Site Naoshima(ベネッセアートサイト直島)。
春頃につづき、手仕事の透ける土のグラス TOU-GLASS を過日お届けさせていただきました。
来島のゲストが集うベネッセハウスショップ様へ、直島限定色のグラスは8月末頃にお届け予定です。
スタッフの方々と、直島の海をイメージしながら製作した深い海色のグラスたちは今もなお愛され、
異なる白土と混ざり合う、うつくしい情景をひとつづつ職人の手が生み出しております。
凛とした有機的なかたちと、土の手触りを感じながら、美味しい飲みものを愉しめることと思います。
また思う以上に、時間がかかってくる手作業となりますので生産が追いつかない状況が続いています。
真夏に吹く涼風をもとめて、アートと島の物語が生まれる地を訪れてみてはいかがでしょう。
2024.6.12バランスの美学
ほのかな光りを纏う、ホタルの舞う季節です。
東京、麻布台ヒルズ ギャラリーで 「カルダー:そよぐ、感じる、日本」 展がはじまりました。
大学時代に知った、アレクサンダー・カルダー(1898~1976)の個展は、東京では約35年ぶりとの事、
カルダーの代表作であるモビールをはじめ、油彩画やドローイングなどが展示されています。
以前の芸術は、壁や台座の上にあるものだったが、カルダー以降の芸術は私たちの生活のなかにある
ものになったと評価を得たように、素晴らしい空間デザインとともに、名作が際立って見えました。
展示空間は、木や紙、漆喰といった日本建築の素材や、その要素が組み込まれているそうです。
作品につかわれている針金や金属などの力強さ、緻密さ、知的さ、エネルギーが直に伝わってきて、
新たな一面を感じることが出来ました。ディティールの細やかさ、左右非対称のバランス感覚など、
カルダーの優れた美学に対面できます。 今秋、9月6日(Fri)まで開催中です。
イタリア語でボート(帆船)の意味をもつ BARCA(バルカ)は、軽やかな仕上がりのBAGです。
長くご愛用いただいているお客様から嬉しいメッセージを頂きましたのでご紹介させていただきます。
「本当に素敵なバッグ、持っていると気持ちもスッキリいたします。生きているといろいろありますが、
近くにいない親戚への贈り物としても助けられています。本当にありがとうございました。」
また、本革の持ち手が施されたトートバッグをお使いのお客様からは持ち手交換をご依頼いただきました。
日常でクタクタになるまで使ってくださっている様子が目に浮かび、鮮やかな色の新しい本革の持ち手へ
付け替えたことで、全体の雰囲気もリフレッシュしました。色違いでもトートバッグ Mをご使用中です。
お仕事などでお使いいただける丈夫でシンプルな BARCA は、3アイテムが揃っております。
写真の斜めがけショルダータイプ、トートタイプ2サイズと共に、ものを入れると立体的に広がる設計。
斜めがけショルダーは、開閉しやすいドイツホックを使用しており安心してお使いいただける日本製です。
若干少なくなっている色味もございますので、どうぞご了承ください。
2024.5.21まちの文化的景観
すがすがしい澄んだ空気のなか、滑らかな音色のウグイスの声が響き渡っています。
過日、八ヶ岳のふもと長野県の東側にある 佐久穂町(sakuho-machi) にふらりと立ち寄りました。
深い緑の苔の森、白駒の池なども一度は訪れていただきたい場所ですが、JR小海線の駅にほど近い
風情ある町並みはとても静かでうつくしく、清らかな川の流れとともに風格のある家屋も印象的でした。
どこまでも自然を愛し、現代日本画壇の最長老として101歳の天寿を全うするまで絵筆をとった画伯の、
奥村土牛(okumura-togyu)記念美術館 に特別展示されていた本画・富士、素描なども見事でした。
この建物の離れには、もともと東京から疎開していた奥村画伯とそのご家族が住んでいたそうで、
町の文化財として今も維持しながら、この地域の歴史と芸術をつなぐ貴重な場となっているようです。
大変お待たせいたしました。
新茶器の新たな仲間、 急須フタリ SHIRO ・ 茶碗 SHIRO など、公式オンラインにて発売いたしました。
柔らかな色味の SHIRO(白)は、窯の中でゆらぐ、素朴な陶器らしい風合いの仕上がりとなり、
KURO(黒)は、窯変が見られる情緒的な趣きに焼き上がっています。 綺麗なお茶の色をじっくりと
愉しみたい方には SHIRO、まろやかなお茶でゲストをもてなしたい方には双方の色ともにお勧めします。
右手に持ちやすく配慮された伝統的なつくりの持ち手は、横からみると自然の洞窟のような形です。
茶こしを使わないシンプルな構造は、煎茶、ほうじ茶、玄米茶、野草茶などにもお使いいただけます。
みなさまで、寛ぎの時間をゆったりと愉んでいただけますと大変ありがたいです。
東京南青山の Spiral Market さんへ、炊き立てのお米が似合うライスボウル 家族茶碗(kazoku-chawan)、
透ける土のグラス TOU-GLASS GOBLET PAIR SET 木箱付などを、過日お届けさせていただきました。
ここ南信州はそろそろ田植えも終盤、涼やかな夕暮れからのカエルの鳴き声もこころが和みます。
地域のうつくしい風景は、人が育む生き生きとした真緑の情景により保たれているのでしょう。
どこか懐かしい、日本の美意識をたいせつに思うこの頃です。