2023.8.22苔のむすまで

爽やかな秋風が朝晩にながれ、澄んだ星空がうつくしい南信州です。
夏季休業中はたくさんのご注文をいただき、ありがとうございます。 照明のご依頼も多くいただきました。
おかげさまで 16年目を迎えることができた(株)アールピースファクトリー、記念すべき某日の様子です。
朝に産地から届いた製品を確認したのち電話で打ち合わせ、その後ご注文メールを拝見しながら在庫の確認、
出荷手配とご返信後にシステム上の入力作業、午後近くに住む知人からサプライズのお土産をいただき談笑、
平穏にデザインの仕事をすすめていると突然のご相談内容を受け倉庫で製品探し、夕方遅くに発送準備へ。
日々慌ただしく過ごしておりますが、無事ここまで歩んでこれたのは、いつも応援してくださる皆様と、
温かく見守ってくださる各方面の皆様のご愛顧のたまものと一重に感謝しています。ありがとうございます。
ここでお知らせです。
誠に恐れ入りますが、このたび製品の一部につきまして、価格改定をさせていただくこととなりました。
昨今の世界情勢の影響をふくめまして、陶器製造に関わる原材料費の高騰などにより、弊社にて
従来価格を維持することが困難となっております。産地職人の人手不足、高齢化も進んでいる現況です。
ご愛好いただいている皆様には大変申し訳ございませんが、ご了承のほどお願い申し上げます。
今秋 9月1日(金)より新価格への移行をさせていただきますが、
家族茶碗・oto-baco(音箱)・BARCA などの製品につきましては現状のままとさせていただきます。
ただいま製品をご検討中のお客様は、ぜひ 8月中にご依頼くださいますようお願いいたします。
なお今後も、皆様にささやかな灯りをお届けできますよう、一層の力を尽くしてまいりますので、
ご理解賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2023.7.6石との出会い

緑濃い夕暮れ、涼やかな風鈴の音がしずかに鳴り響いています。
ふいに思い立ち、山梨県の里山にある Gallery で開催されている「光と影の音」へ。
黒い衣装を身につけた 彫刻家 上田亜矢子 さんが、親しみやすい笑顔で出迎えてくれました。
八ヶ岳南麓のアトリエで制作される亜矢子さん。白い空間に置かれたやわらかい空気感の石彫は、
直線と曲線で織りなされたうつくしい形で、思わず手で触れたくなる滑らかな質感をまとい、
さまざまな白の彫刻やブロンズの作品は、自然光に揺られ、ゆっくりと気配を変えていくように見えました。
初めてお会いするのに何故かどこかで会ったことがある雰囲気のお人柄に惹かれ、愉しい時間をもてた一日。
来週 7月10日(月)まで、evam eva yamanashi 形 にて開催中です。隣りの茶房、Shopもおすすめです。
夏の線香花火がぽとりと落ちる瞬間の炎をかたどった照明、TOU-LIGHT トウライト が入荷いたしました。
手と土との対話で描かれたうつくしい丸みのあるペンダントライトは、日常にやすらぎのある場所を創り、
揺らめく自然の光が灯り、おだやかに過ごせる居心地の良い空間が生まれます。 胴体サイズは2種類で、
照明のコード色指定・長さ調整・ダクトレール仕様への変更などは、ご購入時のみ調整可能でございます。
凛とした白い陶肌の表情と、柔らかな光のグラデーションをお愉しみいただけると嬉しいです。
2022.11.24光りの移ろい

木の葉が舞うなか、外に出ると暖かく、穏やかな小春日和が気持ちよい季節です。
いつもオンラインショップをご利用いただきありがとうございます。
都内に住む知人がリピートにて BARCA バッグ をご依頼くださり、奥様にも気に入っていただき、
ご夫婦お揃いで持ちたいとのことで、色違いを再びお求めくださいました。
自分らしく素敵に生きるお二人に、二代目の BARCA が温かく寄り添えることを願っております。
過日の「皆既月食」をご覧になった方も多いことでしょう、刻々と移ろっていく姿は美しいものでした。
月にも見える陶器のペンダントライト、TOU-LIGHT(陶ライト)は光りのグラデーションが綺麗な照明です。
自然の炎のような、光りが透ける柔らかな印象で、人の集まる場所を照らし安らぎの時間へと導いてくれます。
透過性のある信楽透器という陶土をつかい、型を使わずに職人の手でひとつひとつ製作されますので、
土の厚さが微妙に異なり、揺らめく光りの移ろいや波動を感じることができます。
世界中の照明器具を扱っている ROUND ROBIN 様 では、当初から TOU-LIGHT をご紹介いただいています。
日本と北欧のもの作りや、インテリアなどの洗練された個性的な製品をご覧いただけます。
瀬戸内国際芸術祭 2022 が開催された今年、アートと暮らす島々は国内外のゲストで賑わったようです。
会期の閉幕前、瀬戸内の海色に染まった陶器のグラス TOU-GLASS を追加でお届けさせていただきました。
ベネッセハウス ショップ様 にて、直島限定色 SAKAZUKIなどを旅のお土産に選んでくださる方も多い様です。
ガラス成分を含む透ける陶土をうつわの上部につかい、厚みのある土でも光りを通すことができます。
この春に開館した 杉本博司ギャラリー 時の回廊 は、自然の変化や、壮大な時間の流れを体感でき、
歴史や生きることについて思索を巡らせてもらうことを意図する作品とのこと。
開館カレンダーをご覧いただき、少し落ちついた直島へ足を運んでみてはいかがでしょう。
2022.6.17陶の光り
野鳥の鳴き声が心地よく響き、朝露のしずる感と澄んだ空気のなかで一日がはじまります。
ここ南信州も深緑のシーズンを迎えています。
さて、白い陶器の照明 TOU-LIGHT(陶ライト) は販売開始から11年目となりました。
線香花火の揺らめく炎を象りデザインさせていただいた製品は、当初から成形の型を使わずに、
職人の手と土との対話で描かれた美しい丸みのあるペンダントライトです。
土の厚さが微妙に異なることで光のグラデーションが生まれ、日常の穏やかな空間を愉しめます。
TOU-LIGHT の白い素材は、2009年に産地で開発された「信楽透器」という透過性のある陶土。
光ファイバーの原料を主原料にしていますので、光透過率が磁器に比べて約3倍あるのが特徴で、
土の厚みがあっても光を通すことができる素材となります。
静岡県島田市にあるインテリアショップ FORMS(フォルムス)様 にて、
照明 TOU-LIGHT ラージ・スモールの展示品をご覧いただけます。上質な家具を扱っている店舗様です。
コードの長さ調整・コード色指定・照明レール用のダクトレール仕様への変更などもご相談ください。
公式オンラインショップ でも、いつも通りにご購入いただけますので覗いてみてください。
自然の炎のような灯りで人の集まる場所を柔らかく照らし、安らぎのある時間へと導いてくれます。
2022.2.4立春
立春は、新しい季節のはじまり。 香ばしいほのぼのとした風味の、炭火焼のそば茶を新茶器で淹れました。
この寒い時季の庭で、縮こまりながらもヨーロッパ原産の植物 オルレアの葉がすくすくと育っています。
暖かくなる頃には、柔らかく繊細な白い花がナチュラルな雰囲気で咲き誇ります。
いつもアールピース製品をご愛好いただきありがとうございます。
東京の国分寺にある 胡桃堂喫茶店様 の店内では、新茶器の製品を長くお使いいただいておりますが、
ゆったりと美味しいお茶を愉しんだあと、気に入った急須や茶碗などのご購入も可能でございます。
喫茶店の棚に並ぶ本の一部は、まちに暮らす方々から出品していただいたものとのことで、
50年、100年と読み継がれて欲しいと願う想いを受け取りながら、素敵な時間を過ごすことができます。
また静岡の 星野リゾート 界 遠州様 では、客室の一部、ホテルショップ内でも新茶器をご覧いただけます。
最近、こころ豊かな暮らしを求め、光りを透す陶器のグラスや、気軽にお茶を飲める 新茶器 などを多く
ご依頼いただいています。 穏やかな灯りをご自宅で愉しめる照明のペンダントライト TOU-LIGHT や、
お祝い事などの引き出物、ご希望のギフトラッピングなどもご相談いただいております。
皆様のこれからが朗らかな日常でありますよう願っています。
2021.10.4夜空の星と語ろう
爽やかな秋晴れがつづくなか、近頃の夜空はほんとうに美しく、時をわすれて見惚れてしまう程です。
40年以上前、小学館の学習百科事典3 「地球と宇宙」 理科ー3に書かれた、
当時、 東京天文台 で宇宙のことを研究していた叔父の文面をここに記させていただきます。
『夜空いっぱいに光っている,星空をながめてごらんなさい。都会の明かりや公害などで,よく見えなければ,
いつか山や海に行ったとき,夜空をながめてごらんなさい。星空の美しさに, きっとおどろくことでしょう。
そのとき,「美しいな」と,ただながめているだけでなく,いろいろ考えてみてください。
明るい星や暗い星があるのは,どうしてだろう。… 天の川はなんでできているのだろう。
そのようなぎ問が,つぎからつぎに出てくるでしょう。 そのぎ問に, 今まで自分が持っていた知識で, 答えを
出してみてください。それから, 図鑑や事典で調べてみましょう。… 「なるほど」と,おどろくことでしょう。
そのおどろきがたいせつなのです。
そのような, 自然にたいするおどろきが, 科学の第一歩なのです。そして,自分の考えていた答えが,
まちがっていることを知ったとき,もう一度, 星空をながめてみましょう。前に見たときとは,ちがった美しさで,
自然(星空)がせまってくることでしょう。
わたしが, 最初に, そのようなおどろきをもったのは,『星座の話』という本を読んだときでした。その本で,
地球は太陽のまわりをまわっているが, 太陽はこと座のベガの方向に動いている,それは, 精密な星の動きの
観測からわかる,と知ったとき, そのころ小学校5年生だったわたしは,たいへんおどろきました。
その本は, そのほかにも, いつくかのおどろきを,あたえてくれました。
みなさんも, 天文だけではなく, わたしたちのまわりの自然にふれたとき, ぎ問を持ってください。そして,
自然を見る目をやしなってください。 それは, 将来, いろいろなところで, かならず役にたつことでしょう。』
若くして星になった叔父、今頃どんなことを考えているのかと、想いを馳せております。
いつかまた語り合える日がくることを願って。
2021.5.13祈りの花火
立夏の候、皆さまお元気でしょうか。
日本には古来より、日々の暮らしのなかに「祈り」の文化がありました。
その昔、江戸時代には「祈り」のシンボルとしてそこに花火が存在していたようで、
花火の原点に「祈り」があるということを 和火師の 佐々木厳 さんからお聞きしました。
五月のある夜、空高く伸び朽ちてきていた 樹齢310年の榧(kaya)の木 の炭をつかった、
この榧の大きな命と、伝統的な製法で仕上げた想いの籠もった和火に感動いたしました。
和火(wabi)とは、線香花火のような暗めの橙色の花火のことで、
昨今の煌びやかで色鮮やかな花火とはまた異なり、不思議な魅力と趣きがあります。
川辺の暗闇で和火の音を聴き、咲きほこり舞う炎を見ているだけで気持ちが落ち着きました。
祖先が望んできたであろう平穏で心豊かな暮らしをこれからも守り続けるため、
自然と共に生きる、日本人のこころを癒やす文化を大切にしていきたいと思うこの頃です。
さて、日頃はアールピース製品をご愛好いただきまして感謝申し上げます。
線香花火の自然の灯りをイメージしてつくられた手造りの照明 TOU-LIGHT も入荷しております。
長らく欠品していた 急須一人 BLACK が先日入荷しまして、現在は製品が整っております。
ほか 急須一人 IVORY は一時品切れとなっていますが、一週間ほどで焼き上がる予定です。
お待たせして恐縮ですが、入荷まで今しばらくお待ちくださいませ。
人と自然との繋がりを感じながら、美しい時代を重ねていけますよう願いを込めて。
2020.12.10冠雪
十二月、峰々の頂は白い雪がかぶり冬の始まりを想わせます。
何事もなかったかのように、自然は季節の移ろいをとめず命を繋げていることを実感しています。
日頃はアールピース製品をご愛好いただき、こころより感謝を申し上げます。
ご自宅での時間が増えたこともあり、お茶の道具をご依頼いただく機会が多い一年となりましたが、
ゆったりとした安らぎの時間をお届けできていましたら嬉しく思います。
白い肌と、柔らかく描かれた曲線が美しい陶器のグラス GOBLET(ゴブレット) をご紹介いたします。
温かいお飲み物、冷やしたワインも愉しめる TOU-GLASS は土のざらりとした上品な口当たりで、
年末年始の晴れの日のテーブルウェアとしてもお家に優雅なひとときを運んでくれます。
凛とした雰囲気の手造りのグラスは、透ける土と混ざり合って偶然生まれるたった一つの景色も魅力。
同じく白い陶器でつくられた柔らかな空間を生む照明 TOU-LIGHT Small も入荷いたしました。
ここで、冬季休業日のお知らせです。
12.29 (火) 〜 2021. 1.5(火) の期間は、出荷等をお休みいたしますので予めご了承ください。
ご注文内容にもよりますが、25日(金)午前11時までのご注文品については年内発送が可能でございます。
公式オンラインショップ は受付しておりますので、ご注文品は 1月6日以降に順次発送させていただきます。
皆さまには大変ご迷惑をおかけしますが、ご了承の程よろしくお願いいたします。
来春の芽吹きのために準備をはじめている落葉樹の小さな 美しい冬芽 (fuyume,touga)のように、
エネルギーを身体に溜めつつ、心しなやかに厳かな日々をお過ごしくださいませ。
2020.10.8名月
秋の代表ともいえる月、夜空に輝く美しい月を日々愉しんでいた方も多いことでしょう。
月は 約46億年前に生まれたとされていますが、この広い宇宙に想いを馳せてみるのも良い季節です。
白く丸い、アールピース製品の照明 TOU-LIGHT(陶ライト) をご紹介させていただきます。
自然にあるような穏やかな灯りと、光りのグラデーションでご好評をいただいている製品は、
柔らかい空間を演出してくれる陶器の照明器具となります。
信楽焼きの職人が、ひとつひとつ手挽きで作り上げる本体はなめらかな線を描き、
本体の微妙な厚さの変化により、美しい揺らぎと光りの濃淡が生まれます。
月に照らされるような温かみと、心が休まる安らかなひと時をお過ごしいただけます。
公式オンラインショップ限定、照明コードのカラー指定等のご希望もお気軽にお知らせください。
また、陶器のもつ柔らかさや、土の温かみを大切につくられた AR Piece+S の
Legere(レジェール) 製品の大皿などが入荷しております。
秋の食材も映える色合いのうつわは、ある時はテーブルのセンターの盛りつけ皿として、
ある時はワンプレートメニューにも。マットな風合いの陶器が育っていく姿もまた魅力です。
うつわの色味は、ムースネイビーパープル と ムースブルーグレー が最近の人気。こちらの製品は
spiral online store 、もしくは表参道にある スパイラルマーケット青山 の店頭でご覧いただけます。
同じく青山店にて、照明 TOU-LIGHT の灯りもお近くでご覧いただければありがたいです。
いつもの日常をより大切に思えますよう。
2020.7.15虹
七月の長雨がつづく中、時折みられる虹色の空がとても美しい信州伊那谷です。
ここでお知らせです。
お待たせしておりました 家族茶碗(KAZOKU-CHA-WAN)ライスボール が再入荷いたしました。
原材料の性質変化等により安定せず、産地で長年にわたり改良を重ねていましたが、
皆さまの温かいメッセージに支えられ、励まされ、再び販売を開始することができました。
こころより御礼を申し上げます。
自然界の土の温かみ、素朴さを大切に、シンプルで使いやすい陶製のご飯茶碗は、
ひとつひとつを職人の手挽きで、趣のある小さな工房で丁寧に製作されています。
「いただきます」 ではじめる食卓、美味しくいただいた後はいつもの輝く笑顔が待っています。
日々のささやかな暮らしが私たちの基本、家族の成長とともに器の味わいが生まれていきます。
穏やかな光りを放つ照明 TOU-LIGHT (トウライト) Large と Smallも入荷しております。
手挽きで作り上げる自然な丸みを描いたかたちは、夏の線香花火がぽとりと落ちる瞬間の
揺らめく炎を象ったもの。自然の炎のように静かに幻想的に、空間を染める美しい照明です。
この渦の中、日常を健やかに、柔らかなこころで過ごせますよう。