2025.4.10美しい田舎町

すっかり春爛漫、ここ南信州の伊那谷はのどかな桜色の風景が広がっています。
大空から降りそそぐ雨で潤った植物は、これから伸びやかに生きる準備をしているようです。
年ごとの仕事も兼ねてヨーロッパの各地を巡っていた頃、イタリア、スイス、スペイン、フランス、
イギリス、ドイツ、ベルギー、スウェーデン、ベトナム、中国など、様々な国の文化に触れていました。
懐かしく20年程前の写真を眺めていると、南イタリアの プーリア州 を訪れたものに目が留まりました。
うつくしく穏やかなプーリア地方は、丘の上にある白壁の都市や、長い歴史のある農地につづく地中海の
海岸線でも知られています。 そのとき宿泊した農園は、アグリツーリズム として旅人を受け入れ、
イタリアの自然と豊かな環境、田舎の暮らしをそのままに温かいおもてなしを体験させていただきました。
彼らの農園でとれた野菜などで食を愉しみ、馬や動物との暮らし、ローカルな人々の触れ合いの時間を、
同じように感じることができた貴重なひと時でした。 いまも心にその時の温かな記憶が残っています。
いつも忙しい日本人の方々にこそ、アグリツーリズモを通して、美しい田舎の生活を体験していただき、
豊かな日々を過ごしてほしいと思います。日本の田舎町にもこのような宿が増えてきました。
来週から国際芸術祭がはじまる瀬戸内へ、TOU-GLASS の限定品を再びお届けさせていただきます。
この機会にぜひ、直島 にある Benesse House Shop 様へゆったりとお出かけください。
異なる地域での暮らしや風土、食文化、アートを体感しながら愉しむことができれば嬉しく思います。
2025.2.6早春の輪郭

早春のころ、寒波の影響でうっすらと小雪が舞いました。 まだまだ寒さ厳しい日々がつづきますが、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
この春4月から開催される 瀬戸内国際芸術祭 2025 、瀬戸内の島々を舞台に春・夏・秋 3つの季節ごとに
さまざまな体験ができる 3年に1度の現代アートの祭典です。 香川県と岡山県にわたる瀬戸内海の島や、
沿岸部をふくむ広範囲のエリアで粋な作品やまちの風景を観て歩くことを愉しめることと思います。
直島新美術館 が5月31日に開館されるとのこと、ますます魅力的な地域となりそうです。
スタッフの方と一緒に作った TOU-GLASS 限定色、Benesse Art Site Naoshima (ベネッセアートサイト直島) の
Benesse House Shop 様へ先月たくさんお届けさせていただきました。次回は4月頃に再入荷予定です。
直島でしか見られない海色に染まった陶器のグラスをとても気に入ってくださったフランス人のお客様が、
ご自宅をこの海色に染めて素敵なお部屋に作り替えてしまったとか.. 産地の方々もふくめて大変感激しました。
石の彫刻のような凛としたかたちと触感で、お好みのものを召し上がっていただければ嬉しく思います。
かろやかな風が吹くころ、瀬戸内のアートの島々を旅してみてはいかがでしょう。
ここ南信州の伊那谷からさらに南へ2時間ほど、古くから景勝地として知られる天龍峡にある温泉旅館、
渓谷に佇む隠れ宿 峡泉(kyosen)様をご紹介させていただきます。以前にゆったりと滞在させていただき、
森の薫り、川の瀬音、深い谷をおよぐ清らかな風を頬に感じ、おいしい旬の料理も堪能いたしました。
まさに「南信州ガストロノミー」、その地域の食と文化の関わりを真摯に探究されたすばらしい食体験でした。
過日、新しい風合いの 新茶器 急須ヒトリセット SHIRO・KURO をお届けさせていただきました。
侘び寂びをおもわせる陶製の小さな湯呑みと、ゆるやかに片手に納まる茶漉しのない急須などを、
フロント横の木棚にてご覧いただけますのでぜひ手に取ってみてください。
お宿に到着すると広々したラウンジで落ち着いた日本庭園を眺めることができます。ただひたすらに心を緩め、
その時ごとに光と色を湯面に映す、ほどよきとろみの療養泉を味わい尽くしていただければと思います。
秘境の岬や、趣のある深き渓谷の散策、川下り、ラフティング等 もめずらしい体験となりそうです。
2024.12.11日本のいいところ

師走に入り、里山にもふんわりと雪が積もりました。
すぐにもう半日程で溶けてしまう雪でしたが、冬が到来したことを知りました。
ここ日本はどこに行ってもいいところばかり、写真は長良川と みんなの森 ぎふメディアコスモスです。
久しぶりに訪れた岐阜市では、お店などでたくさんの方々と会話をたのしみました。
自然の豊かさと恵み、おいしい水、土から生まれた米や野菜、これだけあれば人は十分暮らしていける。
そして衣服や道具、書物や音楽など、素敵な文化があれば気持ちも満たされていくように思います。
身近なものを愛でる、ちいさな愉しみがあれば日々うれしいなあと願いつつ、
気負わずに自分たちの感性でできることを発信しようとはじめた会社、アールピースファクトリー。
幸運にも、素敵な人たちや心ある店舗さまに恵まれながら、気がつけば来年18年目になります。
いつもあたたかく、大らかな気持ちで支えてくださる皆さま、ふと気にかけてくださる皆さま、
遠くから応援してくれている皆さま、心より本当にありがとうございます。
そこにある身近なものに価値を感じること、それを愉しめること、心が躍る Art piece を、
お届けしていくことが出来たらとても嬉しく思います。 プロダクトデザインの世界は、物やことの
デザインをすることが生業です。これからも自然との繋がりをたいせつに、人の手の温もりを感じる
日本製のライフスタイルプロダクトをお届けしていきたいと思っております。
秋から初冬にかけて、たくさんのご依頼をいただき誠にありがとうございます。
TOU-LIGHTのペンダントライト、新茶器の新しい色合いSHIRO・KURO、家族茶碗のライスボウル、
とくに海外の方に好評な陶グラス TOU-GLASS など、皆さまの暮らしの中へお届けしています。
冬季休業のお知らせです。
12.27(金) 〜 2025. 1.5(日) の期間は、出荷等をお休みいたしますので予めご了承ください。
ご注文内容にもよりますが、12.25(水)午前10時までのご注文品については年内発送が可能でございます。
オンラインショップは受付中ですので、以降のご注文分は 1.6(月)から順々に発送させていただきます。
皆さまには大変ご不便をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。
この冬は寒くなりそうです、身体をやわらかく整えながら白い季節を朗らかに愉しみましょう。
来年もうれしい出逢いがありますよう心より願っております。
2024.7.11涼やかな光り

七夕の笹飾りを終い、ここ南信州でも夏の陽射しを感じられる頃となりました。
山から流れくる水辺に佇むと、心底涼しい、天然のクーラーを味わえます。
涼やかなお茶を愉しみたく、自然栽培で育った熊本のやぶきた緑茶を KYU-SU HITORI で淹れてみました。
ティースプーン1杯程の茶葉をいれ、さまざまな形状の氷をのせ、湧き水をほんのりと注いで数分間、
優雅なあま味を感じる、やさしい風味の冷茶ができ上がりました。小ぶりな湯呑 KO CYA-WAN に注ぎ、
二番煎もほっこりと素直に美味しいお茶をいただくことが出来ます。 少し多めの茶葉を入れること、
少し長めの抽出時間をもち4〜5分程待つこと、おいしい氷を使うことがポイントでしょうか。
ゆったりと過ごす夏の暮らしのなかでお試しいただけると嬉しいです。
香川の瀬戸内に浮かぶ、 Benesse Art Site Naoshima(ベネッセアートサイト直島)。
春頃につづき、手仕事の透ける土のグラス TOU-GLASS を過日お届けさせていただきました。
来島のゲストが集うベネッセハウスショップ様へ、直島限定色のグラスは8月末頃にお届け予定です。
スタッフの方々と、直島の海をイメージしながら製作した深い海色のグラスたちは今もなお愛され、
異なる白土と混ざり合う、うつくしい情景をひとつづつ職人の手が生み出しております。
凛とした有機的なかたちと、土の手触りを感じながら、美味しい飲みものを愉しめることと思います。
また思う以上に、時間がかかってくる手作業となりますので生産が追いつかない状況が続いています。
真夏に吹く涼風をもとめて、アートと島の物語が生まれる地を訪れてみてはいかがでしょう。
2024.5.21まちの文化的景観

すがすがしい澄んだ空気のなか、滑らかな音色のウグイスの声が響き渡っています。
過日、八ヶ岳のふもと長野県の東側にある 佐久穂町(sakuho-machi) にふらりと立ち寄りました。
深い緑の苔の森、白駒の池なども一度は訪れていただきたい場所ですが、JR小海線の駅にほど近い
風情ある町並みはとても静かでうつくしく、清らかな川の流れとともに風格のある家屋も印象的でした。
どこまでも自然を愛し、現代日本画壇の最長老として101歳の天寿を全うするまで絵筆をとった画伯の、
奥村土牛(okumura-togyu)記念美術館 に特別展示されていた本画・富士、素描なども見事でした。
この建物の離れには、もともと東京から疎開していた奥村画伯とそのご家族が住んでいたそうで、
町の文化財として今も維持しながら、この地域の歴史と芸術をつなぐ貴重な場となっているようです。
大変お待たせいたしました。
新茶器の新たな仲間、 急須フタリ SHIRO ・ 茶碗 SHIRO など、公式オンラインにて発売いたしました。
柔らかな色味の SHIRO(白)は、窯の中でゆらぐ、素朴な陶器らしい風合いの仕上がりとなり、
KURO(黒)は、窯変が見られる情緒的な趣きに焼き上がっています。 綺麗なお茶の色をじっくりと
愉しみたい方には SHIRO、まろやかなお茶でゲストをもてなしたい方には双方の色ともにお勧めします。
右手に持ちやすく配慮された伝統的なつくりの持ち手は、横からみると自然の洞窟のような形です。
茶こしを使わないシンプルな構造は、煎茶、ほうじ茶、玄米茶、野草茶などにもお使いいただけます。
みなさまで、寛ぎの時間をゆったりと愉んでいただけますと大変ありがたいです。
東京南青山の Spiral Market さんへ、炊き立てのお米が似合うライスボウル 家族茶碗(kazoku-chawan)、
透ける土のグラス TOU-GLASS GOBLET PAIR SET 木箱付などを、過日お届けさせていただきました。
ここ南信州はそろそろ田植えも終盤、涼やかな夕暮れからのカエルの鳴き声もこころが和みます。
地域のうつくしい風景は、人が育む生き生きとした真緑の情景により保たれているのでしょう。
どこか懐かしい、日本の美意識をたいせつに思うこの頃です。