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2021.9.10鈴虫の声

秋のはじまり。

ここ信州の伊那谷は朗らかな日々が続いております。夕暮れからの虫の鳴き声も涼やかな頃。

少し前のこととなりますが、東京 銀座にひっそりと佇む粋なお店   茶・銀座 (CHA・GINZA) さんで開かれた

「手の足も出ない 宝瓶30展」 にアールピース製品の  急須ヒトリ をご選定いただきました。

しみじみ、お茶を。ひとつは欲しい宝瓶 (Hōhin , Hōbin)が30点も揃ったそう。 一般的な茶こしを使わず、

茶葉をそのまま器の中に入れ、湯を注ぐスタイルの宝瓶は、究極にシンプルで自然の旨味を直に愉しめる道具。

掌で感じる、美味しいお茶をいただきながら、時の流れにこころを奪われてみては。

 

さて、ここでお知らせです。

長年ご愛好をいただいている一人用の  急須ヒトリ  につきまして、IVORY・ BLACK と同様、

深みのある RED の蓋ガラスも琥珀色へ移り変わりました。上掛けの釉薬に鉄分を含むこの RED のうつわは、

まさに通好みの陶肌。蓋の取っ手にはリサイクルガラスを使用しております。 デスクワークや家事の合間に、

心地いい秋空でのアウトドアに、自分好みの茶葉を見つけ、一服してはいかがでしょう。

ゆったりと深呼吸。 爽やかな秋風に吹かれながら、歩いてみるのも良い季節です。

2021.8.18美術の教科書

このたびの各地で発生している豪雨災害につきまして心よりお見舞いを申し上げます。

一日も早く復旧できること、安心して暮らせる平穏な日々がくることを願っております。

 

この春、日本文教出版様から発行された  中学校美術の教科書   が過日手元へ届きました。

アニメーションの背景画のもととなる美術ボードの絵より始まるフルカラーの美しい一冊は、

記憶にある頃の教科書とは異なり、さらに吟味された興味深い内容で構成されています。

「なぜか気になる情景」「墨と水の出会い」「人の暮らしを豊かに」「自然の美しさから生まれた」など、

10代の瑞々しい感性に呼びかけるような多くの言葉が印象的です。 絵、彫刻、デザイン、工芸を含め、

学びを支える資料として土の材料を記したページに、弊社の   新茶器  茶カップ   が掲載されました。

お世話になっている信楽焼産地の方々とともに、私たちも大変光栄に思っております。

ご選定いただいた教科書の編集に関わるすべての皆様へ感謝を申し上げます。

これからの日本を担う中学一年生の皆さんへ、少しでも何かのお役に立てることを願っています。

 

南青山にあるスパイラルマーケット+S   と アールピースが一緒に開発した温かみのある陶器のうつわ、

AR Piece +S  の   Legere (レジェール)   の製品を夏前にお届けさせていただきました。

ニュートラルで味わいのある仕上がり、土の焼き物ならでは柔らかさをお愉しみいただけますと嬉しいです。

日々を少しだけ豊かに、心地よく快適に過ごしていきたいという方も多いと思います、

健やかで前向きな心持ち、小さな暮らしの積み重ねをできるだけ大事にしていきましょう。

生き生きした食材が映えるテーブルウェアは穏やかな日常を愉しむきっかけを与えてくれることと思います。

2021.8.2夏季休業のお知らせ

 

暑中お見舞い申し上げます。

広々とした信州の伊那谷も暑い夏がやってきました、朝晩に吹く風はとても涼やかです。

開業から1周年を迎えた、伊那谷にある   一棟貸し古民家宿   nagare   さんをご紹介いたします。

田畑の風景の中にひっそりと佇む一軒家は、一日一組がゆったりと寛げる心地いい宿です。

オーナーのご夫妻は500日の世界一周を経て、この伊那谷に辿り着いたというお二人。

地元食材をつかった料理や庭でのBBQも愉しめ、オリジナルの無添加 100%りんごのジュースも扱っています。

今と昔、都会と田舎。 海外と日本、日常と非日常。

その間の「ながれ」に身をゆだねて、ゆっくりと、今ここだけの時間を過ごしていただけますと嬉しいです。

光りが透ける陶器のグラス  TOU-GLASS  CUP  茶皿 などのアールピース製品も宿でお使いいただけます。

nagareは「信州割 SPECIAL」に対応していますので、長野県の方はこの夏にぜひお出掛けください。

 

さて、夏季休業のお知らせです。

8月7日 (土)  〜  15 (日)  の期間は出荷等をお休みさせていただきます。

ご注文内容にもよりますが、4日(水)午前中までのご注文分は休み前に発送可能となります。

公式オンラインショップ  は受付していますので、ご注文品は 16日(月)以降に順次発送いたします。

ご迷惑をおかけしますがご了承のほどお願いいたします。 ご利用お待ちしております。

リラックスした夏のひと時を、緩やかにお愉しみくださいませ。

2021.7.15信州の夏

梅雨明けも間近、皆さまお元気でしょうか。

信州を愛する大人の情報誌 [KURA]  7月号にアールピースファクトリーが製品デザインと設計をお手伝いする

地域材の家具ブランド 「 pioneer plants (パイオニアプランツ) 」が紹介されました。

長野県の別名として親しまれている信州という呼び方は、信州人のアイデンティティを映すそのもの、

いま自転車が熱い信州の旬の情報や、これからの夏にふさわしい楽しい特集が組まれています。

「pioneer plants」 の家具が、信州伊那谷の針葉樹 アカマツにこだわる理由は素材としてだけでなく、

自然に生えるアカマツを枯らしてしまう「マツ枯れ病」という病気が拡がっていること。

病気になってしまったアカマツは、被害の拡大を抑えるために薬品処理するか焼却処分されることしかできず、

材木として使うことができないといわれます。 そこで私たちは、まだ元気なアカマツを使って、

枯れる前に新しい命を吹き込みたいという想いで家具をつくることに。このように次の価値を生み出し、

いまの暮らしと森を繋ぐことを目指して家具づくりを行っています。 家の中でも外でも活躍する、

大人も座れる折りたたみのチェア mini、スツール、テーブル Large も新製品として登場しています。

 

同じくアカマツを薄く削った 信州経木(Shinshu kyo-gi)は日本伝統の包装材、

耳に聞きなれない経木ですが、抗菌や調湿の効果もあり機能性に優れている懐かしい自然素材。

昔の暮らしから学びを得て、おにぎりを包んだり、肉魚料理に敷いたり、パンの冷凍保存にも最適です。

脱プラスチック社会にも繋がる天然の素材は、これからの暮らしにヒントを与えてくれそうです。

本日7月15日(木)、東京FMラジオ放送局 J-WAVEの番組   “ JAM THE PLANET ”  に一緒に活動している

株式会社やまとわ の奥田様が出演します。20:30頃の出演予定ですのでお聴きいただけると嬉しいです。

2021.6.10水鏡

六月、田んぼが生き生きとした表情を見せ、田植えをしたばかりの早苗田(sanaeda)が広がっています。

水面に太陽の光りがゆるやかに反射し、周りの里山の風景が美しく映える季節、

この田んぼが金色に染まり、お米が実るまで、農に携わる人たちの手間と根気がつづきます。

渡り鳥の サギ の繁殖地でもあるこの伊那谷は、ダイサギやアオサギなどの姿も多く見受けられます。

 

過日、ありがたいメッセージを頂戴いたしました。

この春に幼稚園へ入ったばかりの男の子、いつもどうしてもご飯を少し残してしまうのですが、

全部食べたらニコチャンのマークが見られるよと諭され、がんばって最後まで食べることが出来ましたと。

若いおかあさんからの優しい手紙に胸を打たれました。

こうして日々、ご家族で ライスボウル をお使いいただき新しい行動のきっかけになっている事を、

とても光栄に思います。自然の土の温もり、職人の手作業をぜひ五感で味わってください。

小さな命が誕生するたび、ひとつづつ家族茶碗を増やしてくださる方もいて嬉しい気持ちで一杯です。

単品とともに、3サイズが収まった木箱付SETなどもございますので、記念日や贈りものにもどうぞ。

健やかに平穏に暮らしていけることを願いつつ。いつもありがとうございます。

2021.5.13祈りの花火

立夏の候、皆さまお元気でしょうか。

日本には古来より、日々の暮らしのなかに「祈り」の文化がありました。

その昔、江戸時代には「祈り」のシンボルとしてそこに花火が存在していたようで、

花火の原点に「祈り」があるということを  和火師の  佐々木厳 さんからお聞きしました。

五月のある夜、空高く伸び朽ちてきていた  樹齢310年の榧(kaya)の木 の炭をつかった、

この榧の大きな命と、伝統的な製法で仕上げた想いの籠もった和火に感動いたしました。

和火(wabi)とは、線香花火のような暗めの橙色の花火のことで、

昨今の煌びやかで色鮮やかな花火とはまた異なり、不思議な魅力と趣きがあります。

川辺の暗闇で和火の音を聴き、咲きほこり舞う炎を見ているだけで気持ちが落ち着きました。

祖先が望んできたであろう平穏で心豊かな暮らしをこれからも守り続けるため、

自然と共に生きる、日本人のこころを癒やす文化を大切にしていきたいと思うこの頃です。

 

さて、日頃はアールピース製品をご愛好いただきまして感謝申し上げます。

線香花火の自然の灯りをイメージしてつくられた手造りの照明  TOU-LIGHT も入荷しております。

長らく欠品していた 急須一人 BLACK  が先日入荷しまして、現在は製品が整っております。

ほか 急須一人 IVORY は一時品切れとなっていますが、一週間ほどで焼き上がる予定です。

お待たせして恐縮ですが、入荷まで今しばらくお待ちくださいませ。

人と自然との繋がりを感じながら、美しい時代を重ねていけますよう願いを込めて。

2021.4.22軽やかな家具

若葉が美しい季節となり、春の光りを浴びながら野山を散策したい今日この頃です。

「家で過ごすこと」と同時に 「アウトドア」 への関心も高まりつつある昨今、

屋外でも活躍する道具たちを、もっと暮らしの中に取り入れてみませんか。

無垢材でできた軽やかな椅子をはじめ、自然素材ならではの質感や持ち運びやすさを備えたものたちは、

家の中でもゆったりと心地よい時間をもたらしてくれます。

信州伊那谷のアカマツを使用した、無垢の家具ブランド   pioneer  plants|パイオニアプランツ  は、

どのアイテムも片手で持ち運べるほどに軽い、しなやかな木の特徴を活かしたポータブルファニチャー。

日常は家の中、天気の良い日には外や森の中に持ち出して使うことができるのでとても快適です。

写真の Chair mini も人気、この製品デザインや設計等をアールピースファクトリーがお手伝いしています。

数十年前、国策により多く植えられた地域の森の木を、いまの暮らしに取り入れることは、

日本の森林課題の解決や、豊かな地球を未来へ残す、具体的なアクションの第一歩となります。

暮らしと森をつなぐ pp製品は、暮らしをもっと自由に、身軽に、そして創造する未来への希望です。

 

ただいま銀座にて、実際にご覧いただけますので緩やかにお立ち寄りください。このフェアを通して、

身軽で心地よい暮らしを少しでも体感いただけると嬉しいです。オンラインストアでもご購入可能です。

同時開催中のフェア 「素材を愉しむ新生活:木」 もご一緒にどうぞ。

【フェア】 気軽で豊かな道具たち

会期: 2021年04月12日(月) ー 06月03日(木)

場所: 銀座  蔦屋書店 文具売場 (GINZA SIX  6F)

お問い合わせ先: 03-3575-7755

2021.4.5古都のお茶

風軽やかな季節、皆さま健やかにお過ごしでしょうか。

桜の木が多いここ信州伊那谷でも多種の花々や、なごみの花吹雪を愉しんでおります。

さて、海外へ日本の製品を販売されている KOTO TEA  様でアールピース製品のお取り扱いが始まりました。

気軽にお茶を愉しめる 新茶器 、白い陶肌のグラス TOU-GLASS  が早々に、デンマーク、オーストリア、

カナダ、イギリス、アメリカなどのお客様からたくさんご依頼をいただいているようです。

日本の伝統や文化、そして素晴らしい職人がいることを海外の方にお伝えできることに深く共感しており、

とても素敵なご紹介をいただいております。本当にありがとうございます。

数年前、二つのお抹茶からオンライン販売をスタートされたとのことで、現在はお茶周りの製品も増え、

KOTO TEAオリジナルパッケージのオーガニックのお茶もラインナップされています。京都、宇治田原産の

オーガニックティーは大変美味しく、安全で安心していただける茶葉もおすすめでございます。

 

ただいま欠品中の  KYU-SU HITORI IVORY  につきまして、大変お待たせしており申し訳ございません。

4月中旬に再入荷を予定しておりますので今暫くお待ちいただけますと有り難いです。

過日、スパイラルマーケット様の限定色 SKY  TOU-GLASS を無事にお届けさせていただきましたので、

南青山、丸の内、二子玉川の店舗内、spiral online store  の方でご覧いただけますと嬉しく思います。

この SKY は、まるで春の空を映し出したかのような印象の透ける土のグラスなのですが、

ほんのりと青紫色を帯びているような土の柔らかい手触りや飲み心地もぜひお愉しみください。

2021.3.2食の文化

自然界は淡々と移ろい、気温も和らぎ、たしかに新しい季節を迎えようとしています。

穏やかな休日、信州伊那谷にある 古民家七代さん の味噌づくりに参加させていただきました。

前日から浸水することで、十分に水を吸った地元産の艶やかな大豆は、野外の大きな釜に入れられ、

柔らかくふっくりと炊き上げられました。辺りはあたたかい湯気をまとった豆の甘いかおりが漂い、

地元産の麹(kōji)や 天然塩と混ざり合い、半年後の味噌の完成を待つばかりです。

人と人が顔を合わせ、ひとつの作業を助け合い進める光景はなんとも美しく、私たちの祖先は

こうして生命を繋いできたのかと身体の奥深くでしっかりと記憶していることを知りました。

令和時代も、信州の味噌づくり文化は健在で、また最近はこのような地域の文化が見直されているようです。

 

さて、瀬戸内海にある香川県直島町を訪れた方も多いことでしょう。

ベネッセアートサイト直島 は、地中美術館をはじめ、ベネッセハウス ミュージアム、家プロジェクトなど、

自然・建築・アートを存分にたのしめる島々が連なっている素敵な場所です。

ベネッセハウスショップ さんへお届けします、直島限定色の  TOU-GLASS   が無事に入荷いたしました。

お客様に愛されているこの陶器のグラスは、数年前より継続していただいている限定品となります。

瀬戸内の海の色をイメージして作られた奥深い色合いの土と、白土が職人の手で自然に混ざり合い、

凛とした印象でひとつひとつ個性的な表情に焼き上がります。

この3月1日より価格改定された TOU-GLASS は、温冷でお使いいただける陶製品として、

さまざまなお飲物をご自宅ですこし優雅に愉しんでいただけます。

アートと暮らす島々へ、柔らかな風を感じながらゆっくり旅をしたいものです。

2021.2.5立春

関東地方では早くも春一番が吹いたとのこと、皆さま健やかにお過ごしでしょうか。

風は冷たいものの、ここ南信州でも春を想わせる柔らかい陽気がつづいております。

 

日々を少しだけ豊かに、快適に過ごしたいと試行錯誤されている方も多いと思いますが、

伸びやかなこころと、小さな暮らしの積み重ねをやはり大切にしていきたいもの。

普段使いができる陶器のうつわ   AR Piece +S の   Legere (レジェール) 、

彩りのある新鮮な食材が映える、温かみのある陶製品をご紹介させていただきます。

スパイラルマーケット+S とアールピースファクトリーが一緒に作ったこの陶器は、

自由にうつわを重ね、ガラス製のコップと組み合わせてお使いいただくことが出来ます。

「うつわを手で持って食べる」 という日本の独特な食習慣や文化にもとづき、

手の触れる部分に土の風合いを感じられる焼きしめを残しています。

工場で大量生産された品とは異なり、土や釉薬、窯などの諸条件により個体差が生まれ、

ひとつひとつが趣きのある製品に焼き上がります。

ニュートラルで味わいのある仕上がりや、徐々に自分らしいうつわに育ってゆく様子、

そして土の焼きものならでは温かみもお愉しみいただけますと嬉しく思います。

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