2024.6.12バランスの美学
![](https://arpiece-factory.com/wp-new/wp-content/uploads/2024/06/IMG_0354.jpeg)
ほのかな光りを纏う、ホタルの舞う季節です。
東京、麻布台ヒルズ ギャラリーで 「カルダー:そよぐ、感じる、日本」 展がはじまりました。
大学時代に知った、アレクサンダー・カルダー(1898~1976)の個展は、東京では約35年ぶりとの事、
カルダーの代表作であるモビールをはじめ、油彩画やドローイングなどが展示されています。
以前の芸術は、壁や台座の上にあるものだったが、カルダー以降の芸術は私たちの生活のなかにある
ものになったと評価を得たように、素晴らしい空間デザインとともに、名作が際立って見えました。
展示空間は、木や紙、漆喰といった日本建築の素材や、その要素が組み込まれているそうです。
作品につかわれている針金や金属などの力強さ、緻密さ、知的さ、エネルギーが直に伝わってきて、
新たな一面を感じることが出来ました。ディティールの細やかさ、左右非対称のバランス感覚など、
カルダーの優れた美学に対面できます。 今秋、9月6日(Fri)まで開催中です。
イタリア語でボート(帆船)の意味をもつ BARCA(バルカ)は、軽やかな仕上がりのBAGです。
長くご愛用いただいているお客様から嬉しいメッセージを頂きましたのでご紹介させていただきます。
「本当に素敵なバッグ、持っていると気持ちもスッキリいたします。生きているといろいろありますが、
近くにいない親戚への贈り物としても助けられています。本当にありがとうございました。」
また、本革の持ち手が施されたトートバッグをお使いのお客様からは持ち手交換をご依頼いただきました。
日常でクタクタになるまで使ってくださっている様子が目に浮かび、鮮やかな色の新しい本革の持ち手へ
付け替えたことで、全体の雰囲気もリフレッシュしました。色違いでもトートバッグ Mをご使用中です。
お仕事などでお使いいただける丈夫でシンプルな BARCA は、3アイテムが揃っております。
写真の斜めがけショルダータイプ、トートタイプ2サイズと共に、ものを入れると立体的に広がる設計。
斜めがけショルダーは、開閉しやすいドイツホックを使用しており安心してお使いいただける日本製です。
若干少なくなっている色味もございますので、どうぞご了承ください。
2024.4.8平和のいろ
![](https://arpiece-factory.com/wp-new/wp-content/uploads/2024/04/IMG_0312.jpeg)
おかげさまで、長野移住して10年目の春を迎えることができました。
自然の摂理を肌で感じながら、学ぶことが多く、心にゆとりを持てたことも満足している事の一つです。
東京の文京区白山に佇む 「紙舗 直」さんの開店四十周年のお祝いへ、過日久しぶりにお店を訪ねました。
古くからの知人であり、尊敬する坂本直昭さんのおおらかな笑顔と、躍動的なお話に心打たれた一日でした。
遡れば 1984年早春、紙屋の核となるような「いい紙」を見つけるが如く、開店1ヶ月前にもかかわらず再び
四国山中を歩いていたそうです。 ある農家の小さな中庭で、深い眠りから起こされるように、
老婆の手でぱんぱんと叩かれ、塵が誇らしげに祝うように陽光に舞い、「いい紙」が誕生したのだとか。
その紙の声が、直さんには聞こえたのだそうです。「紙は平和だ」と。 現在も精力的にご活躍されており、
染め描くことに真摯に向き合っている直さん。 なぜ、染描(SenByo)するのか、
紙(植物繊維を原料とする手漉き紙)と人をつなぐため。紙は人へ、喜びと美と力を与えるものと信じるから。
それは人が目指すべき平和への、一つの礎でもあると確信すると導きを与えていただきました。
手触りのいい正直な紙に、筆でしたためてくれた心のこもった文章に、心から感謝しております。
6月初め、札幌市モエレ沼公園 ガラスのピラミッドで『染描紙展』が開催されます。ぜひお出掛けください。
東京、表参道の Spiral Market さんへ淡い空色の限定色、TOU-GLASS SKY を過日お届けいたしました。
大切な方へのお祝いや記念日などに、CUP PAIR SET と GOBLET PAIR SET の木箱付きギフトをご用意しました。
温かいもの、冷たい飲みものにお使いいただける光りを透す白い陶器のグラス、少しだけ贅沢で、淡く軽やかな
雰囲気を感じてほしいです。東京駅前のKITTE 丸の内 1階にある丸の内店でもご覧いただけるかと思います。
京都、哲学の道沿いにある風情ある木造のお店、 銀意匠 さんでは海外の方などに新茶器が好評のようです。
在庫が少ない状況ではございますが、個性的な色合いの KISETO(黄瀬戸)や KOICYA(濃茶)など、
できる限りの製品をお届けさせていただきました。伝統的な絞りだし式の急須は、茶こしをつかわない衛生的で
シンプルな構造です。蓋がストッパーとなり茶葉が流れ出にくく、植物の茶葉そのものの旨みまでも美味しく、
最後の一滴まで召し上がっていただけます。煎茶、ほうじ茶、紅茶、蕎麦茶など様々な茶葉にお使いください。
いつも祖母がそうしてくれたように急須でお茶を淹れる文化を、身近に感じていただけたら嬉しく思います。
寛ぐ空間のなかで、もっと自由に、お茶の時間を愉しむことができたらと願っております。
2024.3.13芸術の春
![](https://arpiece-factory.com/wp-new/wp-content/uploads/2024/03/IMG_0301.jpeg)
暖冬ではありますが、寒暖差の激しい日々、皆さまいかがお過ごしでしょう。
ウグイス(Japanese Bush Warbler)の別名は春告鳥、もっとも日本人に親しまれている鳥ですが、
里山などに生息し、なかなか姿は見せずとも ホーホケキョ と鳴く声が待ち遠しいころです。
松本市で開催されている、マツモト建築芸術祭 。 毎年足を運んでいますが年々深みを増しています。
かの松本城の隣に佇む、旧松本市立博物館をメイン会場に、駅寄りに新しくできた 新松本市立博物館では、
総合ディレクターおおうちおさむさんのトークイベントや、愉快なショートフィルムもゆったり愉しめました。
ノスタルジックな建築の 旧松本市立博物館では、国内外で活躍するアーティストの作品をご覧いただけます。
この大理石でつくられた地球儀の一部は、石化されたことで 数千年、数万年後にも残ってゆくのだろうか。
そのものたちが存在した証になるのなら、遠い未来に大きな夢を抱けるような気持ちにさえなってきます。
古い建築物を眺めながら、地域の歴史や文化、新しい時代への展望も自然とできるように思います。
そこにしかない景色や文化を探しに、ぜひ 松本への小旅行をお愉しみください。
いつも公式オンラインをご利用いただき、誠にありがとうございます。
発売から14年程になる新茶器、TOU-GLASS など、生産が追いつかない状況がつづき大変恐縮です。
以前よりお伝えさせていただいておりますが、新茶器 の新色 SHIRO・KURO につきましては、
産地の窯が安定するまでの間、誠に勝手ながら、卸し店舗様へのお届けを控えている状況となります。
できる限り、安定した陶器の生産ができますよう、土の配合率などを試行錯誤している段階です。
お待たせしている店舗様にもご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。 この春 5月頃を目安に、
各アイテムが整ってゆくことを願うばかりです。いま在庫がある製品は公式オンラインでご購入可能です。
寒い中にも奮闘していただいている職人に想いを寄せ、あたたかな心でお待ちいただければ幸いです。
優れた透過性のある土をつかった、限られた職人の手仕事で作る TOU-LIGHT のペンダントライトは、
新築の家、マンションの木質化リノベーション、店舗様等、たくさんのご依頼をいただき感謝申し上げます。
陶製シェードの真鍮ネジ部分を、今回も東京下町の工場で製作してもらいました。美しい仕上がりです。
コードの長さ調整、色指定、ダクトレール仕様への変更なども出来ますのでご購入時にお知らせください。
やわらかな灯りのグラデーションと、心地いい空間をゆったりと愉しんでいただけますと嬉しく思います。
2024.2.7日本の原風景
![](https://arpiece-factory.com/wp-new/wp-content/uploads/2024/02/IMG_0293.jpeg)
立春の頃、真に澄みきった空気のもと、ここ南信州はおだやかな天候に恵まれていました。
この冬の南岸低気圧の影響で、久しぶりに重く湿り気のある「カミユキ」が降り20cm程の積雪でした。
「カミユキ」の語源は、西日本からの雲による上方からの上雪、ひらひらと舞う紙吹雪のような紙雪、
春先に降ることからの神雪など、多様な解釈があるようで興味深いです。
南信州の伊那谷へ移住した友人が、大きな志をもち活動を始めていますのでご紹介させていただきます。
先人が残してくれたこの美しい自然と、日本の誇り高い文化を、次世代に残してゆきたいという思いで、
いのちが循環する自然環境を作り、「木・土・石」をつかった 伝統構法の喫茶店 を建てています。
自然の竹を細く割り、たてよこの格子状に交差させ、しゅろ縄でしっかりと固定し編んでゆく「竹小舞」は
日本の伝統的な構法のひとつで、土壁の下地として支える部分になります。編み方をしばらく覚えてゆくと
誰でも編むことができる「竹小舞」ですが、見えなくなってしまう下地部分とは思えないほど美しいのです。
現在、日本古来の建て方とその技術は段々と失われつつあり、優れた技術をもつ職人がいても、
その技術を生かす機会は、ほとんどないのだそう。この趣きある伝統構法をたくさんの人に知っていただき、
多くの人のやすらぎの場になることを願いながら、有志の若い大工や仲間たちが集まり行動しています。
木と土と石を組み合わせた、素晴らしい伝統構法のことを含め、記事をご覧いただければありがたいです。
海外からのゲストも多い、瀬戸内の Benesse Art Site Naoshima(ベネッセアートサイト直島)。
昨年秋につづき来週末頃、ベネッセハウスショップ様へ 直島限定色のグラス TOU-GLASS をお届け予定です。
深い海色に染まった土と混ざり合い、職人の手でひとつづつ、美しい交わりの情景に焼き上がってきます。
有機的で凛としたかたちと土の感触で、好みのナチュラルワイン等を愉しんでいただければ嬉しく思います。
やわらかい春風が吹く頃、日本の原風景が残るアートの島々へ、島時間を探しに訪れてみて欲しいです。
2023.10.12木漏れ日
![](https://arpiece-factory.com/wp-new/wp-content/uploads/2023/10/IMG_0259.jpeg)
肌寒く感じる季節となりましたが、銀木犀(gin-mokusei)の白い花がほのかに咲いています。
じつは銀木犀が、金木犀の基本種とのことで、柔らかくひかえめ、淡く上品な香りを放っています。
非情な夏の暑さは、意外にも信州の葡萄に好影響を与えたそうで、近くの葡萄農園などは豊作のようです。
東京、国立新美術館で開催されている「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」を訪れました。
学生さんも含め多くの人で賑わっていましたが、当時の女性が自信をもって生きるためのスタイリングを、
実際にデザインしたさまざまな素材の衣服などから、時代背景とともに肌で感じ取ることができました。
同フロアで開催されていた 「テート美術館展 光」 の会場では、英国を代表する国立美術館テートから、
光をテーマにした名品を観ることができました。絵画、写真、素描、アート、インスタレーション、映像など、
様々なアーティストたちが、光の特性やその輝きをどのように捉え、魅了されたのかを想像しました。
ジェームズ・タレルの作品や、最終章のオラファー・エリアソン 《星くずの素粒子》が作りだす光の空間も、
新しい視点から光の演出を愉しむことができます。 10月26日(Thu)より大阪中之島美術館でも開催されます。
京都、銀閣寺近くに佇む 銀鶴堂(Ginkakudo) 様では、光を透す白い陶器のグラス TOU-GLASS が好評です。
欧米系のファミリーにまとめてお求めいただいたり、喜びのメッセージを頂戴しており有り難いです。
温かい飲みものや、口当たりよく冷やしたWineなど少し贅沢な気分を味わえる陶グラスは、日常はもちろん、
儚くもうつくしい日々に、自然界の情景を映すテーブルウェアとしてお愉しみください。
そして、遠く離れた大切な方へのギフトとして oto-baco のオルゴールがまた一つ、旅立ってゆきました。
木を通してつたわる素朴な音色で、ゆったりとリラックスした時間を過ごしていただけると嬉しいです。
移りゆく秋の気配とともに、贈るこころと、温かな気持ちが伝わりますよう願っています。