2024.11.5森と書籍
木枯らしが吹く季節となり、ここ南信州もゆっくりと木の葉が色づいてきました。
ふと夜空を見上げれば、星降る世界が、宇宙のいとなみを感じさせてくれます。
隣町にオープンした、森のなかを散策するように過ごせる体験型複合施設を訪ねました。
緑豊かな自然が広がる「くらすわの森」 は、自然と一体化したランドスケープが特徴的で、
木のぬくもりを感じながら、レストランやカフェ、マルシェ等をのんびりと楽しめます。
森の奥へと歩みを進めると、小さな八角形の木造建築でつくられた森のライブラリーがあり、
テーマごとにセレクトされた書籍やアート本など、約1000冊が並びます。
一歩踏み入れると木の香りに包まれ、本を片手に窓ぎわの小さなスペースに腰かければ、
大自然の中で感性がとぎ澄まされ、日々気づかない大切なものが見えてくるようです。
IRORI-BI(いろりび) は、ものづくりの “もったいない” を減らす、という想いから、
製作過程でどうしても良品としてお届けできないものを、新たなで用途で蘇らせています。
キャンドルを透ける器の中で灯すと、ほんのりと穏やかな情景が浮かびあたたかい時間が流れます。
身体とこころを解放し、ゆったりと長く静かな夜を過ごしていただけたら嬉しいです。
お茶どころの静岡、浜名湖にある星野リゾート 界 遠州さん へ 新茶器 KISETO を今週お届けします。
急須ヒトリ、小茶碗のうつわを宿泊施設のショップにてご覧いただけます。
茶の湯で愛されてきた KISETO(黄瀬戸)の色合いは、それぞれ独特な雰囲気で窯から生まれます。
ホテルのお部屋でも、落ちついた空間で 新色 SHIRO の急須などをお使いいただけます。
紅葉をながく愛でられる今秋、少しだけ遠くへ出かけてみてはいかがでしょう。
2016.8.2自然素材をつかった潮風の家
「画像元:craft」
八月。 夏の休暇は海や山に出掛け、美しい自然を体感することができる季節。
神奈川県逗子市の「懐かしさにあふれる、海の家」をご紹介させて頂きます。
窓から潮風が流れ込み、友人家族と集える開放感あふれる空間は、
子供たちが海で遊び疲れたら、ご飯を食べて、そのまま寛げるような心地よいお部屋。
壁には塗りムラを残した珪藻土、床には柔らかな感触のヨーロピアンオーク、
無垢の天板と黒い鉄、小上がりのように座れる一段上げた床座もさりげなく溶け込んでいます。
遠い記憶がよみがえるような、海辺のおだやかな空気感です。
卓上に配した陶器のペンダントライト、TOU-LIGHTも手づくりならではの雰囲気で、
土を透過したほのかな光が空間を和らげている印象です。
設計施工をされた株式会社クラフトさんは、モダンなテイストのなか、
どこか温かみのある居心地よい素敵空間を手がけているリノベーション会社さん。
陶器の照明をセレクト頂きまして、とても光栄です。
これからも大勢のお仲間の笑顔とともに、賑やかなひと時を愉しまれてください。
忙しい日常の中、海に想いを馳せることのできる場所があることは幸せなこと、
ご家族の心がふっと軽やかになる海の家として、ますます愛着が湧くことでしょう。
末永く、心身ともにご健康でありますよう。
2016.7.7地元の森の間伐材
七夕、この時季に輝く星もまた美しいものです。
世界的にみても、日本の都市周辺の空は明るすぎるほどですが、少し離れたしずかな南信州は、
深遠なる夜空と、清らかな川辺に生息するゲンジボタルの舞いを愉しめる場所が多く点在しています。
この二つのアルプスに囲まれた豊かな 伊那谷(Ina valley)は、
自然の森、里山の風景、豊富な水系に恵まれた人の暮らす穏やかな環境がととのっている地域です。
このたび、地元の森の間伐材をつかい、
歴史ある通り町商店街の老舗家具屋 伊原商店さんの店舗改装をお手伝いさせていただきました。
ワークショップ形式で、地元の森に育った天然アカマツを、店舗の床材としてランダムに敷き詰めていきました。
樹木に宿った、自然のパワーを驚くほどに感じて、
東京から参加してくれた多くの大学生、信州大学の学生、町の人々もずいぶんと癒されたようです。
日曜日に開かれた森カフェでは、アカマツの木製トレイで美味しい珈琲とクッキーをいただき、
心地よい空間としてのイメージが膨らむ、賑やかなひと時となりました。
リノベーションはまだ続きますが、沢山の人が集まるスペースとなるよう、ゆっくりと育って欲しいと思います。
2016.6.24Flavored tea
2016年は史上もっとも暑い年になる可能性があると、
NASA(アメリカ航空宇宙局)が発表したのは1ヶ月程前になるでしょうか。
気温と海水温が、基準としている平均値に比べて数ヶ月連続で上昇を記録しているとのこと。
地球上の気候や、世界経済も同様に、少々混乱しているようにも感じますが、
現代人の価値観は大きくうねり、変化してきているのかもしれません。
ところで最近、生のミントの葉、山しょうの葉、ハーブの女王と呼ばれるヨモギを、
そのまま新茶器で絞り出していただく香りのあるお茶を日常に愉しんでおります。
里山や、道端にあるヨモギは漢方にも使われるほどの万能薬で、
食物繊維がかなり豊富、鎮静効果などもあり、ゆったりと心を落ち着かせてくれます。
東京在住のころは、市販の茶葉を飲んでいましたが、
豊かな自然で育ったハーブ類は美味しく、天日干しでドライしても永く重宝するものです。
乾燥させることにより旨味が増し、香りも深まるばかりか、
ドライフルーツとのブレンドもほっと一息するには贅沢な組み合わせ。
いつもの緑茶に、ペパーミントの葉を浮かべるだけでも清涼感あるフレーバーが愉しめます。
ストレスの原因に事欠かない現代に効果的な、身近な健康法ともいえるでしょう。
そして又。 自然の香りの中にいると、人はまあるく朗らかな笑顔になることも不思議です。
2016.3.24蕾
東京では、桜の開花宣言。
気がつけば、大きく膨らんだ蕾があちらこちらに。
長い冬のあいだ、息吹を感じなかった周囲の樹々も
ゆっくりと新しい春に向けての準備をしていたようです。
こちら楽園信州も、本格的な春の到来が間近となりました。
澄みきった空気のおごそかな静寂と、
白く美しい銀世界が去ってしまうのはどこか寂しい気持ちもありますが。
別の場所から見ていると案外分かりませんが、
思わぬ発見にあふれた日常の時間は、四季の変化の大きさを肌で感じるほど、
限りなく柔らかに、自然と人との絆のなかで過ぎていきます。