2024.2.7
日本の原風景
立春の頃、真に澄みきった空気のもと、ここ南信州はおだやかな天候に恵まれていました。
この冬の南岸低気圧の影響で、久しぶりに重く湿り気のある「カミユキ」が降り20cm程の積雪でした。
「カミユキ」の語源は、西日本からの雲による上方からの上雪、ひらひらと舞う紙吹雪のような紙雪、
春先に降ることからの神雪など、多様な解釈があるようで興味深いです。
南信州の伊那谷へ移住した友人が、大きな志をもち活動を始めていますのでご紹介させていただきます。
先人が残してくれたこの美しい自然と、日本の誇り高い文化を、次世代に残してゆきたいという思いで、
いのちが循環する自然環境を作り、「木・土・石」をつかった 伝統構法の喫茶店 を建てています。
自然の竹を細く割り、たてよこの格子状に交差させ、しゅろ縄でしっかりと固定し編んでゆく「竹小舞」は
日本の伝統的な構法のひとつで、土壁の下地として支える部分になります。編み方をしばらく覚えてゆくと
誰でも編むことができる「竹小舞」ですが、見えなくなってしまう下地部分とは思えないほど美しいのです。
現在、日本古来の建て方とその技術は段々と失われつつあり、優れた技術をもつ職人がいても、
その技術を生かす機会は、ほとんどないのだそう。この趣きある伝統構法をたくさんの人に知っていただき、
多くの人のやすらぎの場になることを願いながら、有志の若い大工や仲間たちが集まり行動しています。
木と土と石を組み合わせた、素晴らしい伝統構法のことを含め、記事をご覧いただければありがたいです。
海外からのゲストも多い、瀬戸内の Benesse Art Site Naoshima(ベネッセアートサイト直島)。
昨年秋につづき来週末頃、ベネッセハウスショップ様へ 直島限定色のグラス TOU-GLASS をお届け予定です。
深い海色に染まった土と混ざり合い、職人の手でひとつづつ、美しい交わりの情景に焼き上がってきます。
有機的で凛としたかたちと土の感触で、好みのナチュラルワイン等を愉しんでいただければ嬉しく思います。
やわらかい春風が吹く頃、日本の原風景が残るアートの島々へ、島時間を探しに訪れてみて欲しいです。