2021.10.4
夜空の星と語ろう

爽やかな秋晴れがつづくなか、近頃の夜空はほんとうに美しく、時をわすれて見惚れてしまう程です。

40年以上前、小学館の学習百科事典3 「地球と宇宙」 理科ー3に書かれた、

当時、 東京天文台  で宇宙のことを研究していた叔父の文面をここに記させていただきます。

 

『夜空いっぱいに光っている,星空をながめてごらんなさい。都会の明かりや公害などで,よく見えなければ,

いつか山や海に行ったとき,夜空をながめてごらんなさい。星空の美しさに, きっとおどろくことでしょう。

そのとき,「美しいな」と,ただながめているだけでなく,いろいろ考えてみてください。

明るい星や暗い星があるのは,どうしてだろう。…  天の川はなんでできているのだろう。

そのようなぎ問が,つぎからつぎに出てくるでしょう。 そのぎ問に, 今まで自分が持っていた知識で, 答えを

出してみてください。それから, 図鑑や事典で調べてみましょう。… 「なるほど」と,おどろくことでしょう。

そのおどろきがたいせつなのです。

そのような, 自然にたいするおどろきが, 科学の第一歩なのです。そして,自分の考えていた答えが,

まちがっていることを知ったとき,もう一度, 星空をながめてみましょう。前に見たときとは,ちがった美しさで,

自然(星空)がせまってくることでしょう。

わたしが, 最初に, そのようなおどろきをもったのは,『星座の話』という本を読んだときでした。その本で,

地球は太陽のまわりをまわっているが, 太陽はこと座のベガの方向に動いている,それは, 精密な星の動きの

観測からわかる,と知ったとき, そのころ小学校5年生だったわたしは,たいへんおどろきました。

その本は, そのほかにも, いつくかのおどろきを,あたえてくれました。

みなさんも, 天文だけではなく, わたしたちのまわりの自然にふれたとき, ぎ問を持ってください。そして,

自然を見る目をやしなってください。 それは, 将来, いろいろなところで, かならず役にたつことでしょう。』

 

若くして星になった叔父、今頃どんなことを考えているのかと、想いを馳せております。

いつかまた語り合える日がくることを願って。

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